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現場で地図を用いるには、簡単にはいかない物である。
山では、地図を広げる場所が無かったり、雨や見通しの悪い藪の中だったり、
自分の想像以上に厳しい現実が待っている。
山で迷い、焦るところに、融通の利かない環境に更なる不安を掻き立てられてしまう。
こんなとき、最初に行わなければならないのは、迷ったとうい現実を正しく受け止める事である。




1 正置作業 偏差の確認

正置とは、真北と、地図の北を合わせる作業で、これといって難しくは
ない。注意点は、水平で風に飛ばされず、偏差を考慮すれば良いだけ
である。

偏差は、国土地理院の地図には記載されている。

この確認を怠ると、結構狂うので、注意が必要である。






2 正置作業 偏差と設置


自宅で磁北線を記入しておくとよろしい。一々現場で合わせるのは面倒
かつ不正確の要因でもある。
自分は、地図に線が有るのが嫌いだ。
単純に好みの問題であり、この方が好きなだけである。

自分の好きなやり方を、書いているので、沿わない方は、Googlへ

さて、地図の、両端(北を上にして左右末端)のラインをコンパスの
中心線もしくは、中心線に平行なラインに合わせ、磁石の
北を指す場所まで地図ごと回す。

この時点では、磁北と地図上の北を合わせた状況であるから
上記の西偏差7度30分(352度30分)になるように、地図にコ
ンパスを乗せたまま右に回す。

これで、磁北と地図上の北のずれを修正できている。
石を置いたり、枯れ枝を乗せ風などで飛ばないようにしよう。


レンザティックコンパスや、ベースコンパスで予め磁北線
を引いていない場合は、風などで地図が動かないようにしよう。


引いた線が、6の写真のように狂ってしまう。








各目標物を、一つずつ測定するのも良いが、各点を測定してメモするのがいい。

実際の尾根や川筋は、初めから地図に記入されているラインとみなし、
2カ所測定でも、およそ同等の結果が得られる。





3 地図への落としこみ


測定した各目標物の測定値を地図上に記入するにあたり、
『理論と現実との相違がある』ということである。

基本的に、正しく測定し正しく地図に落としこめば、目標物の方位は、
地図上の方位と等しいのだが、コンパス自体に、測量に使うトランシット
や光波測量器程の精度(度分秒読み・水平・補正等)が与えられていない。
従って注意したいのは、トランシットで測量しても誤差が生じる行為を、
精度の悪い測定器具で行っているので、誤差が大きく生じてしまう事が
多いのである。

特に目標物が、なだらかな頂上であったり、目視出来る岩が地図には
明記されて無かったりと、測定した目標物が地図上で正確に把握でき
ないことも有る。
又、目盛の合わせ方や、ラインの引き方も誤差を生む
要因となってしまう。出来る限り精度良く落としこみたいものだが、多少の
誤差は許容したほうが良い。







4 地図とコンパス

測定した結果を元に、コンパスの中心線先端(ベースは取り説参照)を、
目標物に合わせる。正置(極北・水平)した地図上で、目標物を中心に
コンパスをスイングさせ、測定値の目盛に合うまでコンパスを移動させる。

このとき、出来るだけコンパス直上から観察したほうが良い。
便宜上、右の写真ではレンズを通しているが、レンザの場合目盛より読
み取り線が太い(約一目盛20ミル)為に、ここで結構な誤差が生じる。

出来るだけ丁寧に行おう。






5 マーキング


レンザ(ビクセン)の場合、測定時に親指を掛けるリングの所に溝がきっ
てある。基本的に、コンパスの中心を通るライン上に照準線や読み
取り線が配置されているはずなのであるが、メーカーによっては、コン
パス中心から読み取り線が大きく狂っている物も有る。

購入時に良く見て購入しよう。

さて、4で正しい(水平かつ偏差を考慮して配置した地図上で、測定値
に限りなく近い)方位にコンパスを配置したら、右の写真のように印を
付ける。

1/25000の地図の場合、用いた鉛筆の幅が、仮に1mm有った
場合は、現実の地上面では25mになる。
従って測定誤差・落としこみ誤差等考慮して、50m程度は、
簡単に狂ってしまうと思っていたほうが良い。






6 ライン引きと結果


右の写真は、3方位を地図に落とした結果である。
解説は下記の通り。
一番右の赤ライン・・・・地図上で目標物の取り違えによるミス
三本の黒ライン・・・・・・地図を磁北に合わせただけ(正置していない)
三本の赤ライン・・・・・・正置後、各方位を落としこんだ物。

さて、地図上で居場所が判った訳であるが、現実の地上面では、3本
のラインの交差から生じた三角形の西隅にいた。
(写真では、南を向いて右端)

よほど特別な環境でなければ、この程度の精度でも自分の居場所
は、確認出来るものである。

山に入る前に、近くの公園などで練習しておくとよいであろう。










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